建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

6-9 アンカーボルト(ABR400) のフック加工

構造図でA-BOLT4-M16(ABR400)定着長さ・ダブルナット・フック付きの記載がある場合、ABR400は転造両ねじアンカーボルトセットでJIS規格です。しかしその片方にフック加工を行うと材質のSNR400B材のミルシートは発行されると思うのですが、ABR400のJIS規格から外れてしまうと思います。

その場合、どのように設計側と協議をしたらよいのでしょうか。

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A

ABR400は「構造用両ねじアンカーボルトセット(JIS B 1220)」の規格であり、ねじの加工方法として転造ねじ加工されたアンカーボルトが対象です。ここでは「両ねじアンカーボルト」は直線状の棒鋼の両端にねじがあり、一方のねじをコンクリート基礎中において定着版に固定して用いるアンカーボルトと定義されています。フック付きJ 型のアンカーボルトを採用する場合はABRの規格に含まれないので設計図書にはSNR400Bと表記することになります。上記の設計図書では柱脚の図と右下赤枠に示されているABRの記載は対応していないので設計者に説明して「A.BOLT 4-M16(SNR400B)L=400 ダブルナット フック付き」と修正してもらうしかありません。また、L=400は直線状の棒鋼ABRの規格のM16に対応する長さなのでフック付きのアンカーボルトの場合はどこの長さがLであるか明確にし,長さが400mmでは不足するので構造検討が必要です。アンカーボルトを90度に折り曲げたL型のアンカーボルトを採用する場合も同様にABRの記載は対応しないのでSNR400Bと表記することになります。 ここで気をつける必要がある点はABRの規格はねじ加工の方法を含むアンカーボルトセットの規格ですがSNR400Bの規格は鋼種のみの規格であることです。ABRと同等の伸び性能を期待する場合には早期のねじ部破断が生じないようにねじの加工方法として「転造ねじ加工」とすることを明記する必要があります。また、アンカーボルトの定着方法として定着板でなくJ型およびL型とする場合にはいずれにせよアンカーボルトの抜出しが生じないように適切な定着長さが必要となります。柱脚に関して、規格の内容だけでなく設計の考え方や施工における留意点について、下記の図書に丁寧に解説されているので必要に応じて参照してください。

【参考図書】
1)(一社)日本鋼構造協会:建築構造用アンカーボルトを用いた露出柱脚設計施工指針・同解説 改訂版、2011.9
2)(一社)日本建築学会:鋼構造柱脚設計施工ハンドブック、2020.1

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