建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

5-9 HTB拡大孔などの適用条件は

高力ボルト接合で拡大孔やスロットホールを使うための条件を教えて下さい。

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A

高力ボルト接合部におけるボルト孔に関しては、建築基準法施行令第68条(高力ボルト、ボルト、リベット)において「2 高力ボルト孔の径は、高力ボルトの径より2mmを超えて大きくしてはならない。ただし、高力ボルトの径が27mm以上である場合は、ボルトの径より3mmまで大きくすることができる。」と規定されています。この規定に関する緩和規定はないのが実情です。従って、一般的には、高力ボルト接合で拡大孔やスロットホールを使うことは法令上許されないことになっています。

かつて建築基準法の第38条が存在したときには、特定の工法、特定の建築物で高力ボルト接合部に拡大孔やスロットホールを使うことを建設大臣に申請すれば、特認で使用を許可された例がありました。しかし、この建築基準法第38条は、2000年の建築基準法改正で削除され、このような対応もできなくなっています。先年、この建築基準法第38条は復活したが、その運用に関する規定が未だに公表されていないため、今後どのような取り扱いになるのか現時点(2016年)では不明です。

なお、海外の高力ボルトに関する規定では、一般に接合部の許容耐力を80%程度に低減して拡大孔、スロットホールなどの使用を認めている例が多くあります。

我が国でも、このような方向の法改正を望む声が大きいため、1995年に日本鋼構造協会に「高力ボルト孔径検討委員会」を設けてこの問題を検討しました。この委員会では3年かけて総数720体のすべり試験を行って、諸外国の規定とほぼ同等の試験結果が得られています。それに基づいて、日本建築学会の「鋼構造接合部設計指針」(2012年版)では以下に示す条件で拡大孔の使用を認める提案が示されているが、これに対する法的な対応は未だ採られていません。

過大孔と耐力の低減係数
ボルト孔の種類 条件(d:ボルトの呼び mm) 孔径(mm) 低減係数
過大孔 d < 24 d+4.0 0.85
d = 24 d+6.0
d >24 d+8.0

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