建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

5-14 薄板はHTB摩擦接合となるか

軽量形鋼構造物の高力ボルト接合は摩擦接合となるでしょうか。その場合、板厚が2.3mmであっても、摩擦接合面処理(ブラストまたはグラインダー+発錆処理)は、必要ですか。

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A

日本建築学会から1985年に「軽鋼構造設計施工指針」が刊行されています。この指針は、厚さ6mm以下の薄板部材を構造部材として用いる軽鋼構造物の設計・施工を対象としています。軽量形鋼構造物も当然その対象となります。その指針の7章 製作・施工の7.1.3 高力ボルト、ボルト接合の(2)項に以下のように記述されています。「軽鋼構造物に高力ボルトを用いる場合の摩擦面は、浮きさび・じんあい・油・塗料など摩擦力を低下させるものを除去するが、堅固な黒皮は、除去しなくともよい。」つまり、厚さ6mm以下の鋼材では、特殊な摩擦面処理を行わないで使用してよいと明確に規定されています。

このような鋼材に通常の摩擦面処理をすることは、もともと表面が堅くなっている鋼材の表面を削って厚さを薄くしたり、ブラスト処理をするなど余計な作業が必要となるからです。ただし、その代わり、設計で使用するすべり係数は、安全側を見込んで、一般的な鋼構造物における設計用の数値である0.45の半分に相当する0.23とすることとしています。この点に関する詳細な解説・実験資料も同指針2章 材料および許容応力度の解説に示されています。

なお、上記の点については、建築工事標準仕様書JASS 6鉄骨工事の4節工作の4.10 摩擦面の処理の項にb.摩擦面処理の留意事項(5)として以下の記述があり、この点を認めています。

(5) 板厚6mm未満の軽量形鋼を使用し、設計上すべり係数を0.45/2 (約0.23)としているものでは、摩擦面は黒皮のままとしてよい。なお、浮いた黒皮は取り除く。

しかし、この点は、構造設計の範疇に関する内容であり、JASS 6に記述されていると言っても、一般の構造設計者が通常理解しているとは限りません。日本建築学会の規準類作成者間の意思疎通が十分図られていない例と思われます。

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