建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

3-56 角形鋼管柱パネル部の内ダイアフラムの板厚は

関西建築構造設計事務所協会の「鉄骨工事標準図(2009年度版)」以降に記載されている、角形鋼管パネル部内ダイアフラムの板厚に、「仕口部に集結する梁の最大FPLより2サイズアップ以上」との記載があります。以前は1サイズアップとの記載がありましたが、いつの間に変わったのでしょうか。また、変えた理由を教えていただきたいです。

また、冷間成形角形鋼管設計・施工マニュアルでは、2008年版では「2サイズアップ」、2018年版では「1から2サイズアップ」と記載文面が変わっています。これについてもなぜ変わったのか、変わった理由が知りたいです。

 2サイズアップとなると、内ダイアフラムの板厚が厚くなり、パネルゾーン柱板厚より、かなり厚くなることがあります。内ダイアフラムの溶接により大きく変形することもありますが、問題ないのでしょうか。


<関西建築構造設計事務所協会 鉄骨工事標準図(2008年度版)>

<関西建築構造設計事務所協会 鉄骨工事標準図(2009年度版)>

<冷間成形角形鋼管設計・施工マニュアル(2008年版)>

<冷間成形角形鋼管設計・施工マニュアル(2018年版)>

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A

従来は、柱通しの場合のダイアフラム厚は、仕口部に集結する梁の最大フランジ厚と同厚以上とするのが一般的でした。しかし、梁フランジ厚と内ダイアフラム厚が同厚の場合、施工精度上の問題からずれ(目違い)が生じ易く、目違いが接合部の靭性低下の要因となることから、それを避けるため、異なる板厚が集まる接合部の内ダイアフラム厚は、施工上の精度も考慮して、集結する梁フランジ厚の最大板厚の1サイズアップとするのが一般的となりました。

ご指摘の標準仕様書で、仕口部に集結する梁の最大フランジ厚の2サイズUP以上としているのは、加工精度のばらつきの可能性をやや過大に見積もった結果、2サイズアップ以上としたことが考えられます。しかし、ダイアフラム厚を大きくすれば、柱プレートに対する熱影響が大きくなり、構造的には必ずしも良いことではありません。構造的には、本来同厚でも良いわけですから、過大な目違いが生じないという自信があるのであれば、1サイズアップで製作させて欲しい旨を主張すべきです。

ちなみに、柱通しの場合の仕口のずれについて、以下のように定められています。これから考えても1サイズアップで良いのではないかと思われます。

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