建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

3-54 鉄骨の塗装とコンクリートの密着性

柱根巻部分や梁上スタッド, SRC構造ではコンクリートと鉄との密着性(合成)が重要になるので無塗装となる事が一般的ですが柱脚ピン構造、合成デッキの梁上や中間階の柱根本部分(スラブ厚)は鉄骨とコンクリートの密着性は必要でしょうか。塗装しても良いのではないでしょうか。

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A

日本建築学会「鉄骨工事技術指針・工場製作編」6章「塗装」6.5「塗装作業」6.5.3「工場で塗装しない部分」(3)「コンクリートに埋め込まれる部分および接触する部分」1)では、「コンクリートに埋め込まれる部分は外気と遮断されてアルカリ雰囲気に保たれるため、さびの発錆する可能性は少なく塗装は不要である。また、柱ベースプレート下面のコンクリートに接する部分は、コンクリートのアルカリによって塗膜が侵されることや柱脚部の水平応力に対する摩擦抵抗が低下するので、塗装しない。」と記載されています。

これより、コンクリートに埋め込まれる鉄骨はアルカリ成分によりさびが発錆しにくいため塗装は不要としていますが、鉄骨製作上、部分的に塗装を残さない方が製作コストの低減につながることが考えられます。しかし、鉄骨とコンクリートの付着力を考えた場合、JIS K 5674などの塗料による塗膜とコンクリートの付着力にはまだ十分な研究成果が存在しないと思われます。

現状では、鉄骨とコンクリートの付着力を考えた場合、コンクリートが接触する鉄骨部分は塗装しない方が良いように思われます。なお、鉄骨とコンクリートの接触面の塗装については、塗装が可能な箇所もあると思われますので客先と打合せをして下さい。

また、ピン構造の柱脚部でも、柱脚部の水平応力(せん断力)に対しては摩擦抵抗での処理を考えられることが多く、したがって塗装すると摩擦抵抗が低下するため塗装しない方が良いこととなります。

<参考文献>
1)一般社団法人日本建築学会「鉄骨工事技術指針・工場製作編 (2018年版)」p.530

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