建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

3-47 ガセットプレート補強のリブは必要か

 ELVレールを受ける横使いの中間梁について、下図のように間柱強軸側に取り付くガセットプレートに鉛直リブプレートが設けられています。中間梁に作用する鉛直方向の荷重は、中間梁の自重のみと考えた場合、20mmのクリアランス部分でガセットプレートが座屈するとは考え難く、過剰な気がします。鉛直リブプレートの省略を設計者に提案する事は可能でしょうか。

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A

 問いの通り、中間梁に作用する鉛直方向の荷重が自重のみであれば、その長さは3m前後で自重は1kN程度と考えられます。このような場合には鉛直リブがなくてもG.PL-9で十分に鉛直力を支持することは可能と考えられます。また、水平力によるガセットプレートの座屈もフランジとボルトの間隔が60mm程度であり問題ありません。

 ただし、強軸に取り合う場合の上図では、間柱の片フランジのみにガセットプレートが取り付いた状態となり間柱の部材全体に力が伝達されず、局部変形が発生することになります。それを防ぐためにはガセットプレートの位置にスチフナを設置する必要があります。また、間柱が中間梁のためだけのものでしたら、間柱の使い勝手は弱軸に取合う場合の図のような間柱配置が合理的です。

 問いはELVレールを受ける中間梁という前提ですが、外壁を支える耐風梁のような場合には、耐風梁の長さも長く、鉛直方向の荷重が梁のみでなく重い外壁の自重を支える必要がある場合も考えられます。このようなときは、その鉛直力の大きさによっては鉛直リブが必要となることもあります。特に、ガセットプレートの下に吊り下げるような取り付け方のときは、フランジ面とボルトの距離による付加曲げモーメントがガセットプレートに作用することになり、鉛直リブを設けたほうが変形も少なく安全であると考えられますが、荷重の大きさ(地震時の上下動も)と取り付け方によって判断することになります。

 逆に、鉛直面に強軸を合せた梁に水平力が作用する場合には水平リブが必要になります。

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