建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

3-45 防錆塗装の屋外暴露有効期間はどのぐらい

屋根材がなかなか決まらず、鉄骨建方を先行し、建方終了後に屋根材が決定したが、納期のかかる屋根材であったため、2か月ほど鉄骨が屋外に暴露された状態が続きました。

鉄骨には指定の膜厚の錆止め塗装が施してあったが、一部錆が発生していました。錆止め塗料の有効期限(保証期限)は何日ですかと聞かれました。

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A

錆止め塗装に適用した素地ごしらえと塗料種別が不明ですが、屋内の鉄骨に用いられる一般的な仕様(素地ごしらえ:C種、塗料種別:A種、JIS K 5674 1種)と考えます。JIS K5674 1種の防錆効果を有する期間について、屋外暴露試験を実施した技術資料(※)より抜粋して以下に示します。


※油性さび止めペイントの屋外暴露による防錆性評価 大日本塗料(株)

実験は試験片に3.2mmの鋼板を用い、下塗り塗料にJIS K 5625とJIS K 5674、上塗り塗料にJIS K 5516を塗装し、栃木県某所(田園地域)で屋外暴露試験を行ったものです(JIS K 5625は、現在JIS規格が廃止され製造されていません)。前項の表2、図1、表3より、赤枠部分がJIS K 5674、2回塗りの屋外暴露試験に該当します。試験体は素地調整方法を6種類(未処理1、手工具1、動力工具4種類)に分けて2年間、6ヶ月毎に観察を行っています。6ヶ月後の観察結果は、素地調整方法が未処理と手工具によるケレンの試験体に錆の発生が見られています。質問のケースは、2ヶ月後に一部錆が発生していた、とのことですが、実際の鉄骨工事では、上記実験で用いた3.2mmの鋼板と異なり、板厚の厚い鋼材の小口・端面、複雑な形状の入隅部などは、素地調整・塗膜厚確保が難しい実情があります。従って実施工では部分的な素地調整不足や膜厚不足などが起こり得る事を考慮すると、塗装後2か月を経過して部分的に錆が発生する可能性はあると考えられます。

なお、本技術資料を塗料メーカーから入手した際に、錆止め塗料の防錆効果を保証する期間を問い合わせてみましたが、錆止め塗料の防錆効果は、使用環境と素地調整に依存するため、お答えは難しいとのことでした。

以上のように、現状では質問に回答出来る資料が無いため、質問のような状況が生じた際には、製品検査で塗装後の立会検査を実施するなど、施工者・監理者と対応を協議する方法が良いと考えます。


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