建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

3-22 ボルト孔の径について

母屋, 胴縁, 間柱などのボルト孔は、ボルト径+0.5mmより大きくしてはいけないのでしょうか。

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A

建築基準法施行令ではボルト孔の径は、ボルト径+1mm以内とすることが規定されています。一方、日本建築学会の鋼構造設計規準ではボルト径+0.5mmとしています。

通常のボルト接合では、高力ボルト接合と違ってボルトに大きな軸力を与えるような締め付けはしていないため、構造体に地震や台風等の大きな荷重が作用した場合、ボルト接合部分でクリアランス(ボルト孔の径とボルト径の差)に対応するすべりが生じます。そこで、ボルト孔のクリアランスはできるだけ小さい方が構造的に有利であるとされ、学会規準ではその値を0.5mmと規定しているわけです。しかし、実際の構造物における部材の製作精度、工事現場での施工精度等を考慮するとクリアランスを0.5mmとすることはほとんど実現不可能な値と思われます。一方、高力ボルト接合では、大きな初期締付力を与えることで接合部ですべりが生じないとしてクリアランスを2mmに規定しています。このような状況からボルト接合でも1.5〜2mmのクリアランスを用いているのが実情です。

以上の話は、構造体の接合部についての話です。非構造材に関しては、建築基準法でも学会規準でも特に規定はありません。しかし、非構造材でもクリアランスが大きければ、長期的にはそれらが支持している仕上材に望ましくない変形やずれが生じる可能性があります。そのような事態を避けるため、非構造材でも構造材と同じようなクリアランスを要求する設計者もいると思われます。

以上の状況から判断して、非構造材のボルト接合部におけるクリアランスは、1.5mm程度が妥当ではないかと考えます。なお、その場合、3―23に示すように、ボルト接合部の健全性を確保するためにもボルトおよびナット下に座金を使用することが望ましいと思われます。

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