建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

3-17 隅肉溶接への変更について

片持梁の長さが1m程度のとき、梁端を完全溶込み溶接でなく隅肉溶接ではいけないでしょうか。

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A

大梁の梁端溶接部を常に完全溶込溶接としなければならないという規定は、建築基準法施行令や日本建築学会の鋼構造設計規準等においてどこにも見当たりません。つまり、梁端の溶接部は隅肉溶接であってもそこに働く応力に対して安全に設計してあれば計算上の問題はありません。

しかし、一般的に言えば、通常の柱梁接合部では梁の部材がかなり大きくなる場合もあることから梁端の溶接部は、隅肉溶接より完全溶込み溶接とする方が溶接量も少なく経済的であることと超音波探傷などによる検査の信頼性などの品質管理面からみて優れていると考えられるため、完全溶込溶接が一般的に使われているわけです。

ご質問のように、梁の持出し長さが1m程度であれば、使用している梁材も小さいものであり、梁断面の寸法も変形によって決まっている場合も多く、一般的にみて梁端の接合部を保有耐力接合とする必要のないケースと考えられ、隅肉溶接で接合することは十分可能であると考えられます。また、施工性から見た場合、板厚が小さいと開先部を正確に加工すること、そこを完全溶込溶接とした場合の超音波探傷の煩雑さなどを避け、のど厚の管理のみですむという面から考えても、梁端溶接部を隅肉溶接とすることは全く問題はないものと考えます。

なお、このようなケースで角形鋼管を用いた柱にダイアフラムを入れる必要があるか否かの問題は、使用している柱と梁断面のサイズの関係、梁に作用している応力の大きさと平面的にみて梁が柱にどのように取り付いているかの接合部詳細によって状況が大きく変わってきますので、一律に要不要を述べることはできません。状況に応じた設計が必要です。

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