岡立ち柱の下部に取り付けるスチフナの板厚が岡持ち梁の板厚より大きい場合、スチフナに開先をとらなければならないでしょうか。
岡立ち柱の脚部を梁に剛に接合するときは、柱幅が梁幅より大きい場合は図-1のような柱通しに、小さい場合は図-2のように梁通しとします。又、現場施工を考慮して柱には(溶接接合ではなく)高力ボルトによる継手を設けるのが一般的です。この脚部を図-3のように高力ボルト接合で繋ぐ場合は、岡持ち梁にスチフナを入れて補強します。ここに用いる隅肉溶接のサイズS1は、図-4を参照して、表-1のようになります。ここで、スチフナの厚さt1が6mm以上、16mm以下かつ梁ウエブ板厚t_2より薄い場合は両面隅肉溶接となります。スチフナが厚くなる(16mm<t1≤ 40mm)と、隅肉のサイズも大きくなるので、部分溶込み溶接とし、図-4のように開先を取ることになります。
なお、SS400をスチフナとして用いる場合は、隅肉溶接と部分溶込み溶接の境界となる16mm超はSN400B又はSN490Bを採用することが望まれます。
参考のために、のど厚a1とサイズS1の関係、力の釣合い式を示すと、
6mm ≤t1≤ 16mm(両面隅肉溶接の場合)
a1=1/\(\sf\sqrt{2}\)・S1 2×a1 ≥t1 → S1≥t1/\(\sf\sqrt{2}\) (1)
16mm <t1≤ 40mm (部分溶込み溶接の場合)
a1=\(\sf\sqrt{3}\)/2・S1 2×a1 ≥t1 → S1≥t1/\(\sf\sqrt{3}\) (2)
となります。
隅肉溶接
t | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
S | 5 | 5 | 6 | 7 | 8 | 8 | 9 | 10 | 10 | 11 | 12 |
部分溶込み溶接
t | 19 | 22 | 25 | 28 | 32 | 36 | 40 |
S | 12 | 13 | 15 | 17 | 19 | 21 | 24 |
[ ※図表の出典) 鉄建協 建築鉄骨標準デイテール2011版 ]
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