建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

6-3 アンカーボルトのレベル調整ナット, 定着板溶接固定について

 ABR、ABMなどのJIS規格のアンカーボルトを使用する場合の以下のケースについて教えて下さい。
(1)アンカーボルトの上部にナットを追加してレベル調整用としても構わないか。
(2)アンカーボルトの定着板を溶接による固定方法としてもよいか。

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A

(1) アンカーボルトの設置には、アンカーフレームを用いるのが一般的となっています。アンカーフレームを設置した段階では、アンカーフレームの剛性が不十分であり、アンカーボルトの先端にナットを追加してレベル調整用に用いるのはアンカーフレームが移動する可能性があり、適切ではありません
 しかし、アンカーボルトが基礎コンクリートに埋め込まれた後であれば、アンカーボルトの先端に本締め用以外のナットを取り付けてそれらを利用してレベル調整に用いることは問題ありません。なお、ABMではねじ部が細目ねじとなっていて一般に使用している並目ねじとは違うので、使用するナットも細目ねじとする必要があります。

(2) アンカーフレーム設置に関してアンカーボルトの位置の設計値からのずれを所定の値以下とすることが原則であり、その点を精度よく確保するために、アンカーフレーム上部ではゲージ板を用いるのが一般的です。一方、アンカーボルト下部の精度保持も重要です。そのため、定着板を所定の位置に配置する必要があります。アンカーボルトの本数が多い場合は、定着板として規定されている板厚を有する長方形の鋼板を4枚組み合わせて用いることで対応することが多いようです。
 しかし、ボルト本数が少ない場合、このような鋼板を用いるのは不経済であるとして、所定の定着板を丸鋼等で溶接して位置決めをすることが考えられるが、このような処置には問題はありません。ただし、その場合アンカーボルトに直接溶接することは、避けなければなりません。

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