建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

5-23 軽量形鋼を高力ボルト接合とする場合

 床根太(C−75x45x15x1.6 @303)の端部接合部について,設計図でGPL-6,HTB 2-M16となっており,ボルト使用への変更要望を提出しましたが受け入れてもらえませんでしたので,設計図どおりにトルシア形高力ボルトを使用しました。
 この建物には,母屋,胴縁(C-75x45x15x2.3,□-75x45x2.3等)もありますが,その接合部ではM12のボルト使用となっています。床根太の接合部だけに高力ボルトを使用するのには,何か理由があるのでしょうか。
 また,軽量形鋼(C-75x45x15x1.6)に高力ボルトを使用する場合,摩擦接合面に塗装が施されていても問題はないのでしょうか。軽量形鋼は,カラー材(既に防錆塗装された材料)を使用していますが,この防錆塗装を剥がす必要はあるのでしょうか。1.6mmしかない板厚で,剥がす作業にグラインダーを使用すると,板厚減が心配です。

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A

 高力ボルト接合をボルト接合に変更する要望を提出されたのに受け入れられなかったことから設計者に意図があることが想像されます。床根太の端部接合部について,長期荷重に対する接合部の許容耐力を検討する場合には高力ボルト接合でなくボルト接合で十分満足する接合部設計が一般に可能です。
 しかし,高力ボルト接合はボルト接合に比べて剛性が高い接合部となることは確かであり,たわみの増大や生活の上の振動を特に抑制したい場合には高力ボルトを用いた接合部を採用して剛性を大きくする対応が考えられます。ただし,その効果のレベルは判断が難しいところです。

 建築工事標準仕様書JASS 6には,高力ボルトを用いる接合部の摩擦面として発せい処理とブラスト処理が明示されています.また,板厚6mm未満の軽量形鋼を使用し,設計上すべり係数を0.23としているものでは摩擦面は黒皮のままとしてよいことが示されています。摩擦面が塗装など発せい処理・ブラスト処理以外の場合にはすべり試験を行うものとし,すべり試験は原則としてすべり係数試験とすることが示されています。
 摩擦面を発せい処理やブラスト処理とする場合には懸念されているように防錆塗料を剥がす作業が必要となり,作業が困難です。グラインダーを用いる場合には板厚減の可能性もあります.
 高力ボルト接合について,塗装による摩擦面がJASS 6に明示されていないこと,塗装を剥がす作業が困難であり,作業によって板厚減となる可能性があることを監理者に説明し,対応について監理者と相談するのがよいと思います。

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