4-36 極端な鋭角に取り付くガセットプレートの隅肉溶接
小梁取り合いガセットプレートが,鋭角に取付く場合の隅肉溶接ですが,鈍角側は重ね継手と同じ考えでサイズを設定してもよいのでしょうか。また,鋭角側は溶接出来ない場合は溶接しない方向で考えてよいのでしょうか。
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図1は、G.PLと梁ウェブが斜めに取り付いたときのディテールです。この溶接線にどのような力の伝達が必要かによって溶接形状は変わります。つまりG.PLに引張力が作用するのか,せん断力を梁に伝えればよいのかです。上図の場合はせん断力のみ伝達すればよく,隅肉溶接となります。その隅肉ののど厚がどれだけ必要かは計算で求められます。
通常,溶接基準で隅肉サイズが規定されていますが,2面溶接したときに母材のせん断耐力を伝達できるサイズになっています。したがって,1面でよいかということについては計算で確認する必要があります。取付ける梁せいと取付けられる梁せいに大きな差があれば,溶接長が長くなりますので片側でも十分となる可能性はあります。
質問の場合,図2,図3のどちらとすべきかといえば,図3の必要はなく,図2の隅肉溶接ののど断面で十分かどうかを検討し,必要に応じて脚長を通常より大きくして対応することもあり得ます。もし,脚長が板厚と同じくらい必要な場合は,隅肉溶接で角落ちなどの心配が出てきますので,図4のようにG.PLを取り付く梁に直角になるように折り曲げて,両面溶接したほうがよいでしょう。このときG.PLの折曲げ半径を10tとする必要は工学的にはありませんが,建築主事によっては告示による10tとすべきという判断をされる可能性もありますので注意してください。
図5の場合も同様に考えればよいでしょう。取合い部 (A部) における力の伝達は,形態上ほとんどなくてもよいので,図3にする必要はありません。
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