4-34 H柱で柱通しの場合の柱-梁仕口部の溶接要領
H柱の柱通しで用いる場合の柱梁接合部で、H柱弱軸方向に取付ける梁の下フランジレベル(下図b.sec)の水平スチフナ溶接要領で、様々な指示をされたことがあります。構造設計の観点から、最も適切と思われる溶接要領を教えて下さい。
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一般に梁端に曲げモーメントが生じる場合,塑性化によって梁フランジに大きな引張応力度が生じます.したがって,梁フランジと水平スチフナの溶接部(図1中のⓐ部)を完全溶込み溶接します。水平スチフナと柱ウェブの溶接部(図1中のⓑ部)は一般に隅肉溶接され,水平スチフナと柱フランジ溶接部(図1中のⓒ部)も一般に隅肉溶接されます。
梁端フランジから水平スチフナに伝達された応力度は梁フランジ端から距離が離れると徐々に低下すること,ⓑ部およびⓒ部の溶接長さを梁フランジ幅に対して長く設定できることから隅肉溶接することが可能です。
図2に⑤として標準的な水平スチフナの溶接方法を示します。H柱強軸方向に取り付ける梁フランジ端の裏側となる水平スチフナと柱フランジの接合部は完全溶込み溶接となります。日本建築学会の「鋼構造接合部設計指針」の4章 柱梁接合部の「4.2.7 H形断面柱梁接合部」に解説されていますので参照して下さい。
図2 水平スチフナの溶接方法
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