冷間成形角形鋼管(以下コラム)の角部は冷間曲げ加工が行われているため、角部への溶接は避けるように設計者から指示を受けます。しかし,コラムと通しダイアフラムの突合せ溶接は,全線完全溶込み溶接で施工しており角部にも溶接が行われているのですが,こちらは問題はないのでしょうか。
角部は冷間塑性加工の影響で材質が変化し硬化していますので、脆性破壊の起点となる角部の表面への小入熱の溶接は避けた方が良いこととなっています。
一方、コラムと通しダイアフラムとの角部の完全溶込み溶接は、適切な溶接条件による入熱を確保して多層盛溶接を行うため、溶接施工された部分の溶接熱影響部は冷間加工による材質硬化が改善されます。このようなことからコラムと通しダイアフラムとの角部の完全溶込み溶接は一般的に施工されています。
Supporting Association for Building Steel Structural Technology All Rights Reserved.