建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

4-28 柱・梁に取り付く仕上げ下地PL溶接のひずみ防止法

 最近、本体鉄骨に後工事用(ALC版受けピースなど)の下地材を取り付ける指示が増えています。取付け材は打合せで決まりますが、ピースの溶接はショートビードにならない程度か、全周溶接の指示を受けることがあります。部材が小さいと溶接歪みが出て困ることがあります(下図)。

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A

 後工事について客先と協議を行った場合は打合せ議事録にサインをもらって下さい。その時には、基本的な溶接方法(隅肉のサイズ・溶接長さなど)を決め、溶接基準図にその内容を反映させることが重要です。
 質問の図における下地材(一次ピース)の大きさは100mm角程度とし、少なくとも2面の溶接とし、隅肉溶接のサイズは4mmで溶接長さは60mm程度とします。
 また、後工事でこのPLにALC版受けのアングル材を取付けるなら、ピッチは1,000mm程度とします。直にALC版を取付けるなら、ALC版の割付け図によりますが、ALC版の幅600mmが一般的です。
 打合せにより、納まり、構造等様々な観点から、取付枚数を少なく(間隔を大きく)することなどが、歪みを少なくする手段の一つとなります。

 特に気を付けてほしい点を、以下に記述します。

 ①後工事の割付け図により一次ピースを工作図に記入する。

 ②大梁や柱に取付ける場合は、地震時に作用する曲げ応力の大きい梁の端部300〜500mmの位置は避ける。

 上記Aの場合における曲げ応力が大きく作用する部位においては,母材にアンダーカットなどのノッチを発生させない隅肉溶接が必要です。

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