柱や梁に対するスタッド溶接はショートビードになりませんか。
スタッド溶接は昭和50年3月に建築学会編「溶接工作規準・同解説Ⅷ スタッド溶接」が制定され、現在は鉄骨工事技術指針・工場製作編に統一されています。同年11月には「合成ばり構造設計指針・同解説」も制定されています。これらの規準・指針の制定によりスタッド溶接は承認された溶接工法となりました。
しかしながら、スタッド溶接は鉄骨構造の主要部材に瞬時にスタッドを溶接するので、母材に及ぼす影響についての疑念が提示されました。前年より「スタッド溶接に関する試験要領書」を作成し、関係者に配布依頼し、スタッド溶接による母材の硬化が母材の耐力、伸び能力に及ぼす影響について調査してきました。これらの実験結果を建築雑誌昭和51年10月号に掲載された経緯があります。
従って、スタッド溶接はオーソライズされた工法で、ショートビードの対象ではありません。溶接部の最高硬さHv max350以下で施工する限り問題ないと言えます。
参考文献においては、板厚50mm〜100mmまでの試験結果を発表しています。
参考文献:① 厚板高張力鋼に対するスタッド溶接について 日本建築学会大会学術講演概
集昭和58年9月(初瀬・尾形・中辻・長尾・谷口)
② 極厚高張力鋼板におけるスタッド溶接 日本建築学会大会学術講演梗概集
昭和63年10月「関東」(能勢・内田・木村・染谷)
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