建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

3-87 摩擦接合面のさび止め塗料の付着

 さび止め塗装は閉鎖断面を除いて最終工程で行います。H形鋼の切断面にさび止め塗装を行う時に注意しながら塗装を作業しますがどうしても摩擦接合面に付着してしまうことがあります。
 摩擦面の塗料の付着は,どの程度であれば許容範囲でしょうか。


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A

 高力ボルトの締付けによって生じる板厚方向の応力度はボルト頭の下面から円錐状に広がると考えられます。日本建築学会の高力ボルト接合設計施工ガイドブックに示されている下図のように45度で広がると想定するとボルト頭の半径に鋼板厚と座金厚を加えた半径を有する円が摩擦面と考えられます。鋼板厚にもよりますが概ね直径として3d〜4d程度と思われます。
 また,FEM解析によって得られる接触圧分布から,接触圧はボルト孔近傍が最も高く,中心からの距離に応じて低下することが分かっています。したがって,この領域より外側の部分の摩擦面は耐力に与える影響は小さいと考えられるため,さび止め塗装が摩擦面に付着することを過度に注意する必要はありません。
 高力ボルト接合設計施工ガイドブックには溶融亜鉛めっき高力ボルト接合についてブラスト処理の範囲例として添板の約5mm程度が示されています。従って約5mm程度は問題ないとして塗装作業の際のひとつの目安になると考えられます。

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