摩擦接合面を赤さび状態にしてスプライスプレートを取り付けておくと黒さびになる場合があります。また,管理方法として『建築鉄骨外観検査の手引きPart3』では浮きさびでなければよいと記載されています。
その他,発せい期間が1週間以内のときは,環境にもよるが一様に発せいしないので,母材のグラインダー掛けの跡が残っている場合は,摩擦面として不適切とも記載されております。これはどの様な状態なのでしょうか。
赤さび(Fe2O3)は酸素がある環境で生成され,黒さび(Fe3O4)は酸素が不足する環境で生成されます。黒さびは赤さびよりも安定した状態でもあり,すべり耐力を期待する摩擦面の凹凸が変化するのではなく化学変化であるので,赤さびが黒さびに変化することは問題ないといえます。
日本建築学会の鉄骨工事技術指針・工場製作編には,「一度赤さびが発生したスプライスプレートを部材の接合面に重ねておくとしばらくして面が黒変することがあるが,この場合,通常は所定のすべり係数は得られると考えてよい」と示されています。
工場で梁にスプライスプレートを仮止めして現場に搬入する場合には事前に摩擦面の赤さびを確認した後にスプライスプレートを仮止めする必要があります。
JASS 6に示されている発せい処理方法は赤さび状態です。「発せい期間が1週間以内のときは,環境にもよるが一様に発せいしない」の記述における「1週間」は状態によるので目安と考えられます。
発せい期間を確保できない場合は発せい促進剤の使用が対応方法として考えられます。「母材のグラインダー掛けの跡が残っている場合」とはグラインダー掛け後の銀色が残っており,摩擦面全体が一様に赤色になっていない状態と想定されます。
「赤さび」は酸素がある環境で生成されるのでスプライスプレートを重ねておく場合は番線を挟むなどの配慮が必要となります。また、「浮きさび」は非常に脆いさびのためワイヤーブラシなどで適正に除去するように留意してください。
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