コラム柱において,平面で斜めに取り付く仕口のウェブがコラム角部へ溶接となる場合、そのまま溶接してもよいのでしょうか。
角形鋼管の塑性変形した角部に溶接することは許容されていません。
設計の問題ではありますが,大梁が45°で交差する場合の柱の形状は通常角形鋼管ではなく円形鋼管とすべきです。
(円形鋼管柱案)
製作段階においては,材料発注・納期の関係から,簡単には柱形状の変更は困難であろうと思われます。
しかし,これらが可能であれば,柱材を図-1のように円形鋼管へ変更することを設計者に依頼したいところです。この場合,剛性を合わせる必要があると思われるため,柱径が大きくなりますので,これが設計上問題ないことの確認が必要となります。
(ショートブラケット案)
柱形状を変更せずに納める方法として,図-2のような方法が考えられます。直交方向にショートブラケットを出し,45°に鋼板を配して梁ブラケットを取り付ける方法です。
この場合の問題点は,サイコロ組立て時に一体組とすることができないことです。斜めの鋼板を取り付ける前に,コラムの溶接を行い,その部分の溶接検査(場合によっては受入検査も)を終わらせておく必要があり,工程的には苦しくなります。
また,45°の鋼板は片側からの隅肉となりますので,仕口ウェブとの取合い部は自然開先となりますが,ダイアフラムとの取合い部は45°開先を設けた部分溶込み溶接とします。
(偏心案)
前記の2つの案は偏心ができない場合で、設計者によっては、図-3のように軸心を偏心させて角部を避けて納めることを許容してくれる可能性もあります。
ただ,25mmの偏心では溶接が角部を避け切れているかどうか確認が必要です。
いずれにしても,どのような納まりにするかは設計者の了解・判断が必要であるため,十分に協議を行うことが肝要です。
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