建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

3-70 剛接間柱の補強リブ取付け方法

 H形鋼の梁に剛接合のH形鋼の間柱が取り付く場合,梁の補強リブはどの様に取り付けたらよいでしょうか。例@〜例Bを下図に示します。
例@の梁と間柱とリブの関係は図の様に施工しています。
例Aと例Bの場合はどちらがより正しい施工法となりますか。


▲質問一覧に戻る


A

 梁と間柱の取合い部分の力の伝達を考えてみましょう。
 例@のように強軸合わせの取合いは耐震間柱のような場合であり,間柱の柱脚における曲げモーメントを梁に伝える必要があり,ウェブは隅肉ですが,フランジはフルペネ(FP)とする必要があります。梁スチフナの上部もFPとして,下部は引張力の伝達が必要ないのでパーシャル(PP)や隅肉としても問題はありません。
 一方,例Aや例Bのように梁に対して弱軸で取り合う場合は,梁に対してどのような力を伝達させたいのかによるので,例Aも,例Bも有り得ます。間柱の柱脚で強軸のモーメントを伝達する設計とした場合,接続する梁だけでは処理できないので,直交する梁を設けてその曲げモーメントを処理する必要があります。
 例Cは間柱が片持ちになっているので,例Aのディテールにする必要があります。柱脚の曲げモーメントを処理するために直交梁が配置されています。この直交梁の継手は剛接合とするのが通常の考え方です。しかし,伝達する曲げモーメントが小さい場合には,ウェブのHTB接合で処理できる可能性もあり,計算で確認できた場合は例Cのようにピン接合とすることも可能になります。
 また,例Dの場合,立上り間柱の向きは,向きを変えて立ち上げる納まり(強軸合わせ)のほうが一般的です。この場合,フランジの溶接は,例@のようにFPの必要はなく、隅肉溶接で十分です。


▲質問一覧に戻る