建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

3-66 H形断面間柱の弱軸側に取り合うピン接合小梁納まり

 H形断面間柱(吊り形式束材)の弱軸側にピン接合の小梁が取り合いますが、構造設計者より小梁受けGPLの反対側に鉛直リブを設けるよう指示を受けました。水平リブだけでは持たない(柱断面を保持できない)のでしょうか。


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A

 確かに言われるようにサイズによって水平スチフナを設けるなどにより、柱断面保持できる鉄骨製作は可能と思われます。そこで構造的に検討してみます。

 小梁端部に作用するせん断力Qは、取合いボルトの許容せん断力と考えますと,仮に使用材料を S10T 4-M20 として

Q=4x46.2=184.8kN

e=175−9/2=170.5mm

h=396−20−9x2=358mm

∴GPL端に生じる力Tは、T=184.8x170.5/358=88kN


 束材片側のGPLの両面隅肉溶接で抵抗させるとすると、脚長は9mmとして抵抗力Rは、

ℓ =125−20−9/2=100.5mm

R=0.7x9x(100.5−2x9)x2x235/\(\sf\sqrt{3}\)/1.5=94kN > T = 88kN

となります。

 上記のように脚長や溶接長さを設定すると、ボルトの許容せん断力に対して片側のGPLで小梁のせん断力を伝達できることがわかります。しかし設定する値によってはNGとなることも考えられますので、構造設計者に質疑のうえ確認されることが良いと思われます。

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