溶融亜鉛めっき部材において、ダイアフラムにめっき抜き孔(角パイプ断面に対して20パーセントの開口)をあけるように、めっき屋さんから依頼がありますが、その際ダイアフラムが板厚に対して弱くなることは、ないのでしょうか。
ダイアフラムに孔が開いた場合の検討方法は、梁フランジの全強(強度×フランジ断面積)を、孔が空いたダイアフラムで伝達出来ればよいのですから、
孔が空いたダイアフラムの耐力: Pd =(B-d)× t × fs
梁フランジの全強: Pf = Af × ft
とした時、
Pd ≧ Pf
を満足することが必要となります。
ここに、Bはダイアフラム幅、tはダイアフラム板厚、fsはダイアフラムのせん断強度、また、Afは梁フランジの断面積、ftは梁フランジの引張り強度です。
ダイアフラムの幅は、梁フランジ幅より大きくまた、ダイアフラムの厚さも梁フランジ厚に対し1サイズ程度は大きくするのが一般的であることを考慮すると、角パイプ断面の20%程度の孔であれば、通常問題は生じないと思われます。
尚、上記の検討は、設計者があらかじめ行っておくべき事柄であり、施工サイドで検討すべき事項ではありませんが、是非一度上式で安全性を確認されたらいかがでしょうか。
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