屋外露出の鉄骨で、防錆仕様が溶融亜鉛めっき、亜鉛溶射、常温亜鉛めっき等が適用される際に、鋼材の糸面取りをする必要があるのでしょうか。JASS 6鉄骨工事、鉄骨工事技術指針・工場製作編の溶融亜鉛めっき工法には、糸面取りの記載はありません。
日本の橋梁分野の鋼橋の塗装においては、鋼材の角部は塗料が十分に付着せず塗膜が薄くなり、早期にさびが生じやすくなるため、塗膜厚を確保するために角部に2R以上の面取りを行っています(図1)。写真1に面取り作業に使用する機器の例を示します。写真はハンディタイプの面取り機ですが、自動走行装置等の自動機器もあります。
(a)エアー式
(b)電気式
図2 面取り機の例 (ハンディタイプ)
このようなことから、屋外露出鉄骨の溶融亜鉛めっき等の仕様に対しても、面取りの必要性を問うことがあると思いますが、現状の必要なめっき量以上の付着および屋外露出鉄骨の重要度を考慮すれば、面取りは必要ないものと思われます。特記仕様書等に記載され、契約項目で客先と合意した場合は行う必要がありますが、この場合製作コストが増大しますので、面取りコストを見積りに含むことを忘れずにおこなう必要があります。
また、通常の下塗り用塗料でも仕上塗装によっては面取りを要求されるので注意が必要です。
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