構造図に「小梁・間柱の鋼材規格はSS400とする。ただし、突合せ溶接を伴う部材はSN400Bとする。」と記載されている工事があります。本柱・大梁等の耐震上主要な構造部材では、SN材B種(若しくはC種)が適用されますが、小梁・間柱等は剛接合とされる部位であってもSS400材を用いて良いのではないでしょうか。
2-1「 SS材・SM材とSN材の違い」にそれぞれの鋼材規格の相違が分かり易く示されているので、それを参照して下さい。
そこには、下記の2つの表が示されています。
これらの表を見ますと、SS材、SM材、SN材は、降伏点、引張り強さ、伸びについては、大きな相違がなく、一方SS材に対しSN材は降伏比、衝撃値、化学成分について、制限が設けられていることが分かります。このSN材において新たに設けられた制限は、母材および溶接部について、主として地震時の部材の靭性確保のために設けられたものが殆どとなります。これが、地震国である我が国の鋼材規格の特徴と言えます。しかし、SS400は溶接できない材料という分けではありませんので、小梁・間柱等で、地震時に塑性化の心配のない部位であれば、SS400材を用いても問題ないと言えるでしょう。
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