露出柱脚における基礎コンクリートの破壊防止に関する項目には、どのようなものがありますか。
この件については、「2015年版建築物の構造関係技術基準解説書」によるのが一般的です。この本の「付録1 構造関係規定に関する技術資料 付録1 2.6 柱脚設計の考え方」に示された付図1.2-2.5の露出型柱脚を使った建築物の計算ルート別の設計フローにこの件の追加が行われ、確認申請時に基礎コンクリートの破壊防止等の確認が求められるようになりました。
これらの項目は、基礎コンクリートが柱脚部で立ち上がり部分がある場合に検討すべき項目で、立ち上がりのない場合には検討は不要です。
それらの項目は、以下の通りです。
1)立ち上がり部縁辺のコンクリートの剥落防止
2)立ち上げ部コンクリートの割裂防止
3)立ち上げ部側面におけるせん断力を受けるアンカーボルトによるコーン状破壊によるコンクリートの剥落防止
それぞれの項目に関する検討式は、上記文献に記載されているので、それらを参考とすればよいでしょう。ただし、3)については、アンカーボルトが1本だけ配置されている場合の検討式が記載されています。通常は、ベースプレート側面に多数のアンカーボルトが配置されていることが多いので、そのような場合は、それらのアンカーボルトによるコーン状破壊面の有効投影面積に基づいてコーン状破壊耐力を計算します。この検討項目は、コンクリート立ち上がり部における基礎コンクリートのかぶり厚さが小さい場合には、かなり厳しくなることが想定され、柱型コンクリートが大きくなることがあります。
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