柱、梁の局部座屈防止のために幅厚比の規定があります。「2015年版建築物の構造関係技術基準解説書」には、「はり等で崩壊メカニズム時に塑性状態に達しないと見なせるものは、局部座屈が生じないことを計算で確かめることにより、幅厚比の規定を適用しないことができる。」と記載されていますが、局部座屈が生じないことを計算で確かめるにはどうすればよいのでしょうか。
日本建築学会の「鋼構造設計規準」では、局部座屈の検討は幅厚比を守ることしか記述されていません。従って、この規準では質問に答えられないことになります。
しかし、日本建築学会の「鋼構造限界状態設計指針・同解説(2010年)」には、3.1.3節に局部座屈限界耐力Mcについての計算式が示されています。
・はりが強軸回りの曲げモーメントを受ける場合
これらの式を参考にすれば、局部座屈に対する設計曲げ耐力Mcが得られるので、その耐力と実際に設計しようとしているはりへの作用力Mwを比較すれば、そのはりが局部座屈を生じるか否かの検討が行えることになります。
なお、既に出版されている各種の鉄骨構造の設計に関する参考書でも局部座屈の設計耐力の算定式が示されているものがあるので、それらを参考としてもよいでしょう。
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