内ダイアフラムの溶接で梁フランジに対する面のほかの面については、部分溶込み溶接又は隅肉溶接でもよいですか。
内ダイアフラムの溶接は、梁フランジに対応する面では完全溶込み溶接とするのが基本です。ご質問のように梁フランジが取り合わない面の溶接部は、梁フランジから伝わる応力をダイアフラムを介して柱のスキンプレートに伝達することを考えると主としてせん断力が作用することとなります。従って、この面の溶接部は必ずしも完全溶込み溶接とする必要はなく、部分溶込み溶接または隅肉溶接とすることも可能と考えます。ただし、実際の製作状況を考えると、内ダイアフラムの方向によってベベル加工としたり、そうしないで隅肉溶接としたりすることは、実際的ではありません。従って、各方向ともベベル加工を施して完全溶込み溶接を行い、本来完全溶込み溶接とする必要のない箇所は、超音波探傷をしないとするなどの方法も考えられます。
要は、ダイアフラムを介して柱のスキンプレートに作用する応力を適切に算定してその応力を溶接部で伝達する計算が正しく行われていれば構造設計上問題はないものと考えられます。
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