建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

3-60 大梁のHTB接手位置の変更は

①大梁ボルト継手位置が、小梁位置や間柱位置により移動の必要がある場合、図1に示すように少しでも短くなる方向へ移動するとNGと言われますが、ある程度、許容値等は設定できないのでしょうか(例えば100mm以内等)。

②また、スプライスPL等で補強されたボルトジョイント部分は、一般部分(母材部分)よりも破壊に至る強度は強く出来ていると思うのですが、間違いでしょうか。もし一般部よりも強度があるのなら、継手位置はどの部分に移動してもよいのではないでしょうか。

表1
図1

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A

①の質問について
 大梁ボルト継手位置を柱側に近づける(仕口長さを短くする)場合は、作用する曲げモーメントが大きくなるため再度設計を行う必要があることから大梁継手位置を柱側に近づける場合の許容値を設定することは難しく、この場合は設計者の判断によることになります。
 仕口長さを長くする場合は短くする場合に比較して曲げモーメント負担が少なくなるため設計条件は緩和されますが、物件毎、部材毎に作用応力が相違するため許容値を設定することは難しいと思われます。
 いずれにせよ設計者の判断によることになります。なお、仕口長さが長くなる場合は、輸送上運べないことやロボット溶接の治具に設置できないことがありますので注意する必要があります(図2)。図3の例に示すようにスプライスプレートをかわすディテール案を採用することも考えられます。

②の質問について
 ボルトジョイント部の設計はボルト孔の欠損部の断面で行うため、一般部より強度が大きいとはいえません。

表1

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