建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

3-20 レーザー孔あけについて

レーザーによる孔あけ加工が高力ボルト孔に適用できない理由は何でしょうか。

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A

現在、JASS 6の規定が「高力ボルトの孔はドリルあけとする」となっていることが主な理由と考えます。高力ボルト用孔に要求されるのは、孔径が建築基準法施行令の規定(公称軸径プラス2.0mmないし3.0mm以下、はしあき・へりあきの規定)を満足することが第1の条件であり、摩擦接合面から考えたときは、孔周囲にバリ・まくれなどがないことです。

ドリルあけの場合、選定するドリル径を間違えない限り孔径は満足できます。また、ばり・まくれはさほど手間をかけず後処理が可能です。一方、16、19mm以下程度のガセットプレート等では切断と孔あけを同時にレーザーで行いたい、NCレーザー切断機を使用することで工程短縮にもつながるということで要望は多くあり、既に使用されている例もあります。

レーザー孔あけの場合に懸念されるのが、孔の直角度、孔径の確認方法、レーザー入射側とその反対側の孔径の違い、孔内面に生じやすいノッチなどです。孔径・位置の再現性は機械精度の確認と、現寸フィルムによる照合確認、貫通ゲージや孔径より細いボルトを使っての孔径の抜取検査などで可能です。また、孔内面のノッチなどの懸念事項を想定した高力ボルト継手に関する実験的研究ではドリル加工とほとんど差がないことが報告されています。

(清水、高松、田中他:高力ボルト摩擦接合の孔あけ加工にレーザ加工を用いた場合のすべり係数および引張耐力に関する実験的研究:日本建築学会技術報告集 第21巻 第48号 P.633-638 2015年6月)

現状、JASS6では認められていませんが、孔位置の再現性の説明と自分たちの行う孔径の確認方法をきちんと示すことで採用を認められるのではないかと考えます。なお、この件については、現在日本建築学会のJASS6改訂小委員会で検討中です。

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