建築鉄骨構造技術支援協会(SASST)  
 
Q

2-7 鋼材の品質証明について

(a) 鋼材の品質管理方法がミルシート方式(裏書きを含む)ではいけないのでしょうか。

(b) ミルシート方式で、鋼材取扱責任者の押印がなくても問題ないですか。

(c) 書類でなく電子データでも問題ないですか。

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A

(a)の質問は、日本鋼構造協会(JSSC)鋼材品質証明ガイドライン(以下ガイドライン)を念頭においてのご質問と考えます。鋼材の品質管理は、設計図書で特記された鋼材を正しく使用して製品にするために行われます。
日本の建築鉄骨における鋼材の流通は複雑ですが、最終的に使用した鋼材の証明はミルシートあるいは裏書きミルシートによるというのが日本建築学会JASS6の考え方です。しかし、特に裏書きミルシートにおいて、使用する際の約束事つまりコピーされたミルシート中の使用鋼材に○をつける、証明者の押印、日付の記載をするなどがおざなりなってきたということもあり、ミルシート方式とは別の方法はないかということでガイドラインが提案されました。
ミルシート方式、ガイドライン方式のどちらを使用するかは設計図書に示された特記によることになりますので、ミルシート方式が否定されているわけではありません。また、建築確認申請に関わる完成検査時にミルシートが適用されていることも事実です。
最終的に提出あるいは提示されるミルシートが正しいというためには、工作図から鋼材発注、納入、切板の切断・流通、組み立てなどの工程間で鋼材がどのように動き、最終製品となりミルシートにつながるかというトレーサビリティーが確保されることが大切です。鋼板(特に切板)とミルシートは常に一対となっている必要があります。ミルシートの確認でよしとしているのは、あくまでこの管理がキチンとなされているのが前提で、提出されたミルシートはその結果にすぎないことに留意してください。これはガイドライン方式でも同じです。
現在、ほとんどのファブさんが切板を外注されています。切板(シャーリング)会社において「入荷された鋼材のトレーサビリティーが確保できるように管理されている」という確認は、切板会社へ赴き自分の目で確認することが大切です。この作業は、少なくともファブ自身で行って下さい。

(b)の質問に答えます。日本建築学会鉄骨工事技術指針のP.145〜148に押印の例があり、ここでは社印の他に責任者の押印があります。社印のみの場合、会社が責任を持つようにも見えますが、やはりこのコピーに対する具体的な責任者が不明確となります(社印となれば会社の代表者が責任者となりますが、非現実的です)ので、責任者印は必要です。その責任者は「鉄骨製作工場の性能評価基準」に定める「材料管理責任者」がふさわしいと考えます。この基準では資格は不要としています。なお、ご質問にある「鋼材取扱責任者」は現在、運用されていないと思います。

(c)の質問については具体的例がよくわかりませんが、ミルシートをスキャナーでとりこみ、その上に社印、○印などがデータとして記載されている場合と考えます。例えば検査報告書で、レマークや合否が印刷されているようなものと同様と思われますが、このような報告書の場合、信頼性が疑われることがあります。
相手との信頼関係になりますが、やはり印字ではなく、押印したものが必要と考えます。コピーしたものを提示・提出するにしても前もって印字されたものではないものが必要と考えます。

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